症例報告
内視鏡的乳頭切開術により胆汁内高アミラーゼ値の改善をみた胆摘術後・非拡張型膵管胆道合流異常の1例
坂井 義治, 井田 一夫, 西村 和明, 山本 雄造, 林 仁薫, 久野 正治
京都桂病院消化器センター
胆嚢結石,総胆管結石を有する68歳の女性に対して胆嚢摘出術,総胆管切石術を施行した.術後のTチューブ造影により非拡張型膵管胆道合流思常が疑われ,ERCPにより確診した.共通管の長さは15 mmで,総胆管に2個の憩室を認めた.食前後の胆汁内アミラーゼ値を測定したところ,食後に著明な上昇を認め,膵液の胆道内への逆流が示唆された.内視鏡的乳頭括約筋切開術にて胆道内への膵液逆流を改善しうると考え施行したところ,食後の胆汁内アミラーゼ値の上昇は消失し,胆道憩室も縮小した.非拡張型膵管胆道合流異常症に対し,内視鏡的乳頭括約筋切開術は胆嚢摘出術と併せ1治療法と成りうると思われる.
索引用語
anomalous arrangement of panereaticobiliary ductal system, endoscopic sphincteropapillotomy
日消外会誌 27: 1835-1838, 1994
別刷請求先
坂井 義治 〒615 京都市西京区山田平尾町17 京都桂病院消化器センター
受理年月日
1994年2月9日
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