症例報告
経皮的持続ドレナージにより治癒しえた孤立性脾膿瘍の1例
石原 寛治, 山田 正, 鈴木 範男, 永来 正隆, 徳山 彰俊, 藤井 弘一, 内藤 清明*
石切生喜病院外科, 同 内科*
抗生物質の普及により,孤立性脾膿瘍は比較的まれな疾患となった.しかし,抗癌化学療法の普及とその多様化および画像診断の進歩に伴い報告例は増加している.患者は18歳の女性で,高熱と左上腹部痛を主訴として来院した.腹部超音波・CT検査で左横隔膜下に巨大な嚢胞状腫瘤が確認され,エコーガイド下に穿刺を試み脾膿瘍と診断し,持続ドレナージとすることで治癒することが出来た.本邦では1948年以降著者らの調べえた範囲では孤立性脾膿瘍は31例報告されており,その中で穿刺ドレナージにより治癒したのは4例のみである.自験例のように脾臓に孤立性膿場を形成する場合,エコーガイド下穿刺法は極めて安全かつ有効な治療法であり,第1義的に選択されて良い方法であると思われた.
索引用語
isolated splenic abcess, echo-guided percutaneous drainage
日消外会誌 27: 2466-2470, 1994
別刷請求先
石原 寛治 〒579 東大阪市弥生町12-28 石切生喜病院外科
受理年月日
1994年7月6日
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