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第27巻 第12号 1994年12月 [目次] [全文 ( PDF 641KB)]
原著

Lymphokine-activated killer活性からみた胃癌患者における所属リンパ節,脾臓および末梢血単核球の免疫反応

鈴木 孝雄, 落合 武徳, 永田 松夫, 軍司 祥雄, 中島 一彰, 磯野 可一

千葉大学第2外科

 胃癌患者における免疫反応を評価する目的で,lymphokine-activated killer(LAK)活性を中心とした免疫学的検索を行った.胃癌20例の所属リンパ節,脾臓,末梢血単核球を検索対象とした.組織間の比較では,脾臓,末梢血がリンパ節よりも高いLAK活性を示した(p<0.05).サプレッサーT細胞はリンパ節ではほとんど認められなかったが,末梢血では高値を示した(p<0.05).一方,キラーT細胞は各組織間に差はみられなかった.また癌の進展に伴い,リンパ節転移陽性例ではIL-2非誘導LAK活性が末梢血で低下し(p<0.05),メモリーヘルパーT細胞は第1群リンパ節で低下がみられた(p<0.05).しかし漿膜浸潤の有無別の検討では,LAK活性,単核球亜分画に一定の傾向を認めなかった.以上,胃癌患者におけるLAK活性を中心とした免疫学的検索の有用性を報告した.

索引用語
gastric cancer, lymphokine-activated killer activity of regional lymph nodes, spleen, perioheral blood

日消外会誌 27: 2536-2542, 1994

別刷請求先
鈴木 孝雄 〒260 千葉市中央区亥鼻1-8-1 千葉大学医学部第2外科

受理年月日
1994年9月14日

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