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第27巻 第12号 1994年12月 [目次] [全文 ( PDF 696KB)]
原著

ラットendotoxin shockモデルにおけるphospholipase A2活性の検討

野村 務, 笹島 耕二, 宮下 正夫, 杉崎 祐一

日本医科大学第1外科, 日本医科大学第1病理

 ラットにlipopolysaccharide(LPS)を投与,endotoxin shockモデルを作成し,血清および肝組織phospholipase A2(PLA2)活性を経時的に測定した.LPS投与30分後に血清PLA2活性は投与前の194.4±25.4(mean±SEM)pmo1/m1/minから359.1±56.4 pmo1/m1/minに有意に上昇し,その後漸減した.肝組織内PLA2活性も投与30分後に7.8±0.6 pmo1/mg protein/minから10.2±0.2 pmo1/mg protein/minに上昇した.血清,肝組織ともに熱処理(55℃,5分間)による活性の低下はLPS投与群で著明であった(p<0.01).LPS投与群のPLA2活性は反応液中のCa2+濃度の低下により著明に低下した.形態学的にはLPS投与1時間後より,Kupffer細胞や傷害部の肝細胞ライソゾーム膜にPLA2活性部位の増加を認めた.LPS投与によるendotoxin shock時に,血清および肝組織中で,熱に不安定でCa2+依存性のPLA2活性の上昇が,ごく早期から認められた.

索引用語
endotoxin shock model, phospholipase A2 activity, enzyme histochemistry of phospholipase A2

日消外会誌 27: 2557-2563, 1994

別刷請求先
野村 務 〒113 文京区千駄木1-1-5 日本医科大学第1外科

受理年月日
1994年9月14日

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