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第27巻 第12号 1994年12月 [目次] [全文 ( PDF 439KB)]
症例報告

転移リンパ節が肝様腺癌を呈したCA19-9産生胃癌の1例

名取 志保, 若杉 純一, 遠藤 格, 渡会 伸治, 山岡 博之, 嶋田 紘, 松尾 恵五, 中谷 行雄

横浜市立大学医学部第2外科, 同 病理部*

 症例は49歳の男性で心窩区部痛を主訴に来院,胃内視鏡検査で胃角部後壁の0′(IIc+III)T2型胃癌と診断した.CT検査でNo.7と16b1リンパ節の腫大を認め,血清alpha-fetoprotein(AFP)値は3.0 ng/mlと正常であったが,carbohydrate antigen 19-9(CA19-9)値は490 ng/mlと高値を呈した.胃全摘術および膵体尾部・脾臓・左副腎・胆嚢合併切除によるD4郭清を施行した.原発巣は深達度ssの低分化型腺癌でNo.7と16b1の転移リンパ節にのみ肝様腺癌を認めた.AFPおよびCA19-9染色は原発巣ではともに陰性であったが,転移リンパ節の肝様腺癌ではAFP陽性細胞が散在性に認められ,CA19-9染色はすべての細胞がびまん性に染色された.以上より本例は転移リンパ節の肝様腺癌がCA19-9を産生したまれな症例と思われた.肝様腺癌はAFP産生胃癌に特徴的な組織型であるが,本例のようにCA19-9値が高値の肝様腺癌は広範なリンパ節転移をきたすので十分なリンパ節郭清が必要である.

索引用語
hepatoid carcinoma in the lymph node with metastasis, carbohydrate antigen 19-9, lymph node metastasis of gastric cancer

日消外会誌 27: 2583-2586, 1994

別刷請求先
名取 志保 〒236 横浜市金沢区福浦3-9 横浜市立大学医学部第2外科

受理年月日
1994年9月14日

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