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第28巻 第1号 1995年1月 [目次] [全文 ( PDF 743KB)]
原著

直腸癌における予後因子としての糖鎖抗原(Lewisa,sialyl Lewisa,Lewisx,sialyl Lewisx)の発現

中山 隆盛1), 2), 渡邊 昌彦1), 勝又 貴夫2), 寺本 龍生1), 北島 政樹1)

慶應義塾大学医学部外科1), 国立療養所神奈川病院外科2)

 直腸癌における癌関連抗原の発現性と予後の関連性を明らかにすることを目的とした.1981年1月より1988年12月までの直腸癌治癒切除mp,ss(al)例の原発巣105例および転移リンパ節40例(124個)を対象とし,癌関連抗原Lewisa(LA),sialyl Lewisa(SLA),Lewisx(LX),sialyl Lewisx(SLX)に対するモノクローナル抗体を用いて免疫染色を行った.
 原発巣におけるSLAの発現はリンパ節転移(p<0.025)および再発(p<0.005)と高い相関性を示し,転移リンパ節におけるSLAの発現も再発(p<0.05)と相関性を示した.さらに,原発巣および転移リンパ節におけるSLAの発現は,生存率とも高い相関性を示した.一方,LA,LX,SLXの発現と臨床病理学的諸因子および予後は,有意な関連性を認めなかった.
 以上より,直腸癌においてSLAの発現は新しい予後因子と考えられた.

索引用語
rectal carcinoma, carbohydorade antigen, immunohistochemistory, tumor marker, sialyl Lewisa

日消外会誌 28: 32-39, 1995

別刷請求先
渡邊 昌彦 〒160 新宿区信濃町35 慶應義塾大学医学部外科

受理年月日
1994年10月12日

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