大腸癌微小肝転移モデルにおけるOK-432，ヒトrecombinant interleukin-2（rIL-2）連続脾内投与の肝転移抑制効果に関する検討

有本　裕一, 鄭　容錫, 山田　靖哉, 前田　清, 新田　敦範, 平山　晃司, 澤田　鉄二, 仲田　文造, 西口　幸雄, 奥野　匡宥^＊, 曽和　融生

大阪市立大学第1外科, 大阪市立総合医療センター外科^＊

　大腸癌の予後を左右する肝転移の予防における免疫療法の有効性を検討するために実験的微小肝転移モデルを作製し，OK-432，rIL-2（以下，IL-2）連続脾内投与による肝転移抑制効果につき検討した．BALB/c nu/＋マウスに同系のマウス大腸癌株であるcolon 26，1×10⁵を経門脈的注入後7日目に微小肝転移が生じることを確認し，これを微小肝転移モデルとして利用した．その結果，微小肝転移が形成されてからOK-432，IL-2を投与しても，各薬剤単独あるいは併用脾注にて，いずれもコントロールに比べて有意に肝転移形成を抑制した（p＜0.005）．またOK-432，IL-2併用脾注にて，OK-432単独脾注に比べて有意に肝転移形成を抑制した（p＜0.025）．この両薬剤併用脾注による肝転移抑制効果は，薬剤を投与した脾細胞の抗腫瘍中和活性の上昇から，脾臓内への薬剤投与が重要である可能性が示唆された．

索引用語
colorectal carcinoma, micrometastatic liver tumor, OK-432, recombinant interleukin-2, BRM therapy

別刷請求先
有本　裕一　〒545　大阪市阿倍野区旭町1-5-7　大阪市立大学医学部第1外科

受理年月日
1994年11月9日

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