症例報告
垂直遮断胃形成術が著効したPickwick症候群の2例
浜副 隆一, 栗栖 泰郎, 広岡 保明, 貝原 信明, 小川 東明*
鳥取大学医学部第1外科, 町立広瀬病院*
睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndromei:SAS)あるいはobesity hypoventilation syndrome(OHS)を伴う重症肥満患者2例にvertical banded gastroplasty(VBG)を施行した.術後合併症はみられなかった.術後の良好な体重減少により睡眠時無呼吸発作の消失とOHSの改善が得られた.覚醒時のperformance activityの向上と精神的なirritabilityの消失によって患者のquality of lifeは著しく向上した.減量によって咽頭部,胸壁,あるいは腹腔内などに過剰に蓄積した体脂肪が著明に減少したことがSASやOHSの改善に寄与したものと思われた.VBGは術後合併症が少なく,減量効果の高い術式であり,SASあるいはOHSを伴う重症肥満に対する有用な治療法と考えられた.
索引用語
morbid obesity, sleep apnea syndrome, vertical banded gastroplasty
別刷請求先
浜副 隆一 〒683 鳥取県米子市西町36-1 鳥取大学医学部第1外科
受理年月日
1994年11月9日
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