胆嚢線維性ポリ―プの1手術例

田中　博幸, 佐藤　智丈, 立川　隆義, 富岡　勉^＊

松浦市民病院外科, 長崎大学第2外科^＊

　患者は52歳の女性．上腹部痛の精査のため，超音波検査施行され，胆嚢にポリープを指摘された．超音波検査上は高エコーと実質エコーの混在を認め，血管造影では，異常なかったが，胆嚢癌も否定できなかったため，手術施行した．摘出標本の肉眼所見では大きさ17×25×17 mmの有茎性のポリープを底部に認めた，表面は顆粒状で，淡褐色を呈した．組織学的には1層の円柱上皮で覆われ，間質には粗な結合織と脈管の増生が見られた．本症はWHOの提唱するfibrous polypと考えられた．
　本疾患は他のpolypにくらべ，巨大化する傾向にあった．超音波検査では表面が小結節・顆粒状を呈し，実質エコーを示す例が多くみられた．
　なお，自験例は本邦報告例中，2番目に大きいpolypであった．

索引用語
fibrous polyp of the gallbladder

別刷請求先
田中　博幸　〒859-45　長崎県松浦市志佐町白浜免　松浦市民病院外科

受理年月日
1994年12月7日

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