半導体レーザードップラー微小循環血流計による肝viabilityの評価

岡本　友好, 稲垣　芳則, 椎野　豊, 中村　純太, 中里　雄一, 佐野　勝英, 柳沢　暁, 青木　照明

東京慈恵会医科大学第2外科

　半導体レーザー光を使用したレーザードップラー微小循環血流計による肝微小循環血流量をイヌ阻血モデルを用いて測定し，エネルギー代謝の面より肝viability評価における本法の有用性について検討した．また，ウリナスタチンの作用機序について本法を用いて検討した．雑種成犬を使用し60分阻血（A）群，90分阻血（B）群，90分阻血＋ウリナスタチン（C）群の3群にわけ，阻血前後の微小循環血流量（以下，F），エネルギーチャージ（以下，SC），動脈血中ケトン体比（以下，AKBR）を測定し，各群の生存率比較および組織学的検索を行った．FとECの相対変化率は有意に正の相関を示した．再灌流後30分時のFが予後の指標となった．ウリナスタチンの肝疵護効果機序は微小循環改善が主座であると思われた．よって本法は再現性，連続性，簡便性の面で肝臓のviability評価に有用であり，病態評価に期待のもてる検査法である．

索引用語
laser Doppler velocimeter, microcirculation of liver, ischemic damage of liver in dogs

別刷請求先
岡本　友好　〒105　東京都港区西新橋3-25-8　東京慈恵会医科大学第2外科

受理年月日
1995年1月11日

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