Riedel葉より発生した肝外発育型肝細胞癌の1治験例

富沢　直樹, 草場　輝雄, 大和田　進, 坂田　義行, 飯野　佑一, 森下　靖雄

国立高崎病院外科, 群馬大学第2外科

　肝外発育型肝細胞癌の本邦報告例は約70例で，そのうちRiedel葉よりの発癌例は3例と少ない．今回，Riedel葉原発と考えられる肝外発育型肝細胞癌の治験例を経験したので，本邦報告例を集計して報告する．症例は57歳の女性で，右季肋下に手拳大の腫瘤を触知，腹部超音波検査および腹部CT検査で，肝後下区域より肝外性に発育する腫瘍を認めた．腹腔動脈造影上，肝後下区域動脈の異常分枝より栄養を受けていた．肝後下区域より肝外に懸垂状に発育していた腫瘍を肝臓の一部とともに切除した．腫瘍は単結節型で，組織診断はEdmondson II型の肝細胞癌であった．非癌部に肝硬変の所見はなかった．

索引用語
hepatocellular carcinoma, extrahepatic growth, Riedel's lobe

別刷請求先
富沢　直樹　〒371　前橋市昭和町3-39-22　群馬大学医学部第2外科

受理年月日
1994年12月7日

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