特集
術後生存率,QOLよりみた胃癌拡大郭清の効果
喜多村 陽一, 鈴木 博孝, 笹川 剛, 小熊 英俊, 遠藤 昭彦, 石塚 直樹
東京女子医科大学消化器外科
胃癌におけるリンパ節拡大郭清の効果について,過去10年間の2,592例を検討した.検討は,4群郭清(D4)と2群郭清(D2)の2群間で,胃癌取扱い規約12版の進行程度に沿って層別化し,生存率を対比した.また3年間経過を追えた再発のない胃全摘膵脾合切例で,全身状態,quality of life(QOL)などについて対比した.(結果)D4郭清がD2郭清より,各進行程度で良好であり,sen0,m,sm,n2(+),mp,ss,n2(+),se,n2(+)の各群で,有意の差を認めた.
また,D4,D2の2群間で直死率,術後縫合不全,入院日数などに差を認めなかった.また各種QOLに関するアンケート調査の結果差を認めなかった.
(まとめ)D4郭清はD2郭清と対比して,安全で,QOLを損なうことがなく,また,stage II,IIIで良好な成績を示すことから,積極的に選択すべき術式と考えた.
索引用語
lymph node dissection, pestoperative survival rates by degree of lymph node dissection, changes in postoperative physical status
別刷請求先
喜多村陽一 〒162 新宿区河田町8-1 東京女子医科大学消化器外科
受理年月日
1994年12月7日
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