原著
ニューラルネットワークを用いた肝癌肝切除術の予後予測
濱本 勲, 岡田 節雄, 若林 久男, 前場 隆志, 前田 肇
香川医科大学第1外科
肝癌肝切除術の予後をニューラルネットワークを用いて予測した.入力層,中間層および出力層にそれぞれ9,14および1個のニューロンを持つ階層型ニューラルネットワークを構築し,これにあらかじめ予後のわかっている58例の肝切除症例(耐術49例,非耐術9例)の予後を教師信号(1,耐術;0,非耐術)を用いて学習させた.10万回の学習でニューラルネットワークは良好に収束し,1例を除いて正確に応答するようになった.この学習済みニューラルネットワークを用いて,11例の肝切除症例の耐術能を術前にprospectiveに予測した.その結果,10例の耐術例および1例の非耐術例を術前に正確に評価することができた.ニューラルネットワークは,肝癌肝切除後の予後を予測する上で,強力な手段となりうることがわかった.
索引用語
neural network, hepatocellular carcinoma, hepatectomy
日消外会誌 28: 1030-1036, 1995
別刷請求先
濱本 勲 〒761-07 香川県木田郡三木町池戸1750-1 香川医科大学第1外科
受理年月日
1995年2月8日
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