Implantable doppler miniprobeに関する基礎的検討

金子　哲也, 中尾　昭公, 田淵　幸人^＊, 松中　敏行^＊, 大井　重夫^＊＊, 高木　弘

名古屋大学医学部第2外科, アロカ（株）研究所^＊, グンゼ（株）開発事業部^＊＊

　血管合併切除再建を伴う胆道膵癌手術における血管吻合部開存性の適確な把握のため，implantable doppler miniprobeによる血流モニターを考案した．方法は吸収性ポリグルコール酸（以下，PGA）フェルトで幅2 mmの極小probeを目的の血管にフィブリン糊で固定するもので，臨床応用に向け基礎的検討を行った．生体適合実験では雑種成犬にdummy probeを用い前述の方法で大動脈，下大静脈に固定し組織所見，probeの抜去状況につき1，2，3，4，6週で犠牲死させ検討した．2週以内では固定は良好であったが抜去は困難であった．4週以降で抜去可能でPGAフェルトの50％以上は吸収され6週では自然抜去した例もありPGAフェルトの大半が吸収されていた．血流検出実験では動脈は直径2 mm以上で検出可能で，検出最大流速はsampling pointと血管径に規定された．下大静脈，門脈の流速も検出可能であった．今回の実験結果より臨床応用の可能性が示唆された．

索引用語
implantable doppler miniprobe, pancreatobiliary surgery, portal vein resection and construction, hepatic artery resection and construction, flow monitoring

別刷請求先
金子　哲也　〒466　名古屋市昭和区鶴舞町65　名古屋大学医学部第2外科

受理年月日
1995年1月11日

PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です