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第28巻 第5号 1995年5月 [目次] [全文 ( PDF 513KB)]
症例報告

小腸間膜より発生した大腸ポリポーシス非合併腹腔内デスモイド腫瘍の1治験例

長田 真二, 種村 廣巳, 大下 裕夫

岐阜市民病院外科

 症例は61歳の男性で,腹部腫瘤を主訴に当科受診した.既往症として,3年前に早期胃癌にて幽門側胃切除術を施行されている.腹部CT,超音波やMRIにて腸間膜原発の腫瘍を疑い開腹手術を施行した.手術所見では腫瘍はトライツ靭帯より約110 cmの空腸間膜より発生していたが,脈管とは剥離可能で腸管の合併切除することなく全摘出を行い得た.切除標本は11.5×10.5×10.5 cm大で,割面は充実性で乳白色を呈し,出血や壊死はみられなかった.組織学的には線維芽細胞の増殖と間質の硝子化を示すデスモイド腫瘍であった.術後2年6か月の現在再発の徴候は認めていない.
 大腸ポリポーシスを伴わない本症の本邦における報告は,これまでに自験例も含め39例と非常にまれであるのでその特徴につき検討した.

索引用語
intra-abdominal desmoid tumor

日消外会誌 28: 1124-1128, 1995

別刷請求先
長田 真二 〒500 岐阜市鹿島町7-1 岐阜市民病院外科

受理年月日
1995年2月8日

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