原著
再発からみた肝細胞癌に対する手術術式に関する検討
余喜多 史郎, 福田 洋, 大西 隆仁, 石川 正志, 原田 雅光, 和田 大助, 田代 征記
徳島大学医学部第1外科
肝細胞癌切除後1年半以上経過例52例につき,再発形式からみた初回肝切除術式について検討した.再発例は24例(46.2%)であった.87.5%が術後1年半未満に再発し,22例が残肝再発であった.断端再発は3例.すべてTW(+)で,うち2例は腫瘍径5 cm以上であった.根治度別の5生率は治癒切除(n=28)が23.0%,非治癒切除(n=24)が70.8%,再発率はおのおの53.6%,37.5%であった.非治癒切除の理由としては腫瘍占居範囲(H)が切除範囲(Hr)ょり大きい(H>Hr)ことが79.2%で最も多かった.切除範囲では区域切除以上より亜区域切除以下群のほうが再発率が低い傾向であった.さらに腫瘍径5 cm以下でHrSとHr0を比較すると再発率,累積生存率ともに有意差はなく,HrS群で良好とはいえなかった.したがって,5 cm以上の肝癌はHr>Hの拡大切除が必要であり,一方5 cm以下ではHr≧Hにこだわらず,縮小手術が可能と思われた.
索引用語
hepatocellular carcinoma, hepatic resection, recurrence after surgery
日消外会誌 28: 1780-1787, 1995
別刷請求先
余喜多史郎 〒770 徳島市蔵本町2丁目50 徳島大学医学部第1外科
受理年月日
1995年4月5日
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