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第28巻 第8号 1995年8月 [目次] [全文 ( PDF 492KB)]
症例報告

切除後に短期間で肝転移をきたした膵腺房細胞癌の1例

那須 二郎, 菱沼 正一, 安藤 二郎, 尾沢 巌, 松井 淳一, 稲田 高男, 清水 秀昭, 固武 健二郎, 尾形 佳郎, 井村 穣二

栃木県立がんセンター外科, 同 病理

 巨大な膵腺房細胞癌の切除後に短期間で肝転移をきたした症例を経験したので報告する.症例は54歳の女性.主訴は腹部腫瘤で,右上腹部には超手挙大,弾性硬な腫瘤を認めた.腫瘍マーカーはelastase Iなどが高値を示した.膵頭部腫瘍と診断し膵頭十二指腸切除術を施行した.被膜を有する11×8×6 cmの腫瘍は組織学的に膵外分泌部に類似しており,電顕像でzymogen顆粒を認め,膵腺房細胞癌と確定診断しえた.術後5か月のCTでは再発の兆候はなかったが,術後8か月のCTで肝右葉に巨大な転移巣を認めた.肝転移に対してTAEを施行したが,術後9か月目に肝不全で死亡した.剖検では,直径15 cm大の巨大な肝転移に加え,残膵のほとんどが腫瘍で置換される残膵再発が認められた.被膜化された膵腺房細胞癌の予後は良好であるとされているが,自験例のごとく急速な肝転移を示す症例もあることを考慮して治療を行う必要がある.

索引用語
acinar cell carcinoma, pancreas, liver metastasis

日消外会誌 28: 1862-1866, 1995

別刷請求先
那須 二郎 〒320 宇都宮市陽南4-9-13 栃木県立がんセンター外科

受理年月日
1995年3月8日

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