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第28巻 第11号 1995年11月 [目次] [全文 ( PDF 473KB)]
症例報告

脾原発Hodgkin病の1例

河田 直海, 林 雅郎, 三好 明文, 船津 隆, 斉藤 真悟**, 鈴木 偉一**, 小林 展章**

町立津島病院外科, 同 内科,愛媛大学医学部第1外科**

 症例は72歳の男性で,微熱,体重減少,左季肋部痛を主訴に当院を受診した.表在リンパ節,脾は触知しなかったが,腹部超音波およびcomputed tomography検査で脾に腫瘤が発見された.ガリウムシンチでは同部に強い集積が認められた,脾悪性リンパ腫疑いの診断で手術を行った.腫瘤は脾から膵尾部に浸潤し,脾動脈幹,下膵リンパ節に腫大が認められ,脾膵体尾部切除リンパ節郭清術を行った.腫瘤は弾性硬で15×12×12 cm,充実性,黄白色境界鮮明であった.組織学的にはHodgkin病,混合細胞型と診断され,膵への浸潤,リンパ節転移が認められた.Cyclophosphamide,vincrisine,procarbazine,predonizoloneによる術後化学療法を6クール行い,術後3年半経過した現在も健在である.ほとんどすべてのHodgkin病は表在リンパ節から発生するとされており,脾原発のものは非常にまれであるので報告した.

索引用語
primary malignant lymphoma of the spleen, primary Hodgkin's disease of the spleen

日消外会誌 28: 2210-2214, 1995

別刷請求先
河田 直海 〒798-33 愛媛県北宇和郡津島町高田丙15 町立津島病院外科

受理年月日
1995年7月5日

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