症例報告
肝原発悪性線維性組織球腫の1例
岩田 博英, 宮田 完志, 服部 龍夫, 小林 陽一郎, 深田 伸二, 湯浅 典博, 亀井 桂太郎, 久留宮 康浩, 林 祐次, 小出 恭裕, 鷲津 潤爾
名古屋第一赤十字病院外科
患者は20歳の男性.主訴は発熱.入院時検査で,血小板数増多,アルカリフォスファターゼ高値,血清CRP高値,血沈値亢進を認めた.肝腫瘤は腹部超音波検査にて低エコー,腹部computed tomography検査(以下,CTと略記)にて低吸収域,選択的血管造影にてhypovascular tumorとして認められ,肝右葉後区域切除を施行した.切除標本では直径5 cmの境界明瞭な黄白色の腫瘍で組織学的に悪性線維性組織球腫と診断された.肝原発悪性線維性組織球腫の報告は文献上20例にすぎない.本症例は切除により発熱の消失,検査所見の改善が得られた点でinflammatory typeとして特徴的であった.
索引用語
liver tumor, malignant fibrous histiocytoma
日消外会誌 28: 2275-2279, 1995
別刷請求先
岩田 博英 〒453 名古屋市中村区道下町3-35 名古屋第一赤十字病院外科
受理年月日
1995年9月13日
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