原著
食道癌におけるMAGE gene familyの発現
藤田 益嗣, 内藤 弘之, 寺田 信國, 小玉 正智, 伊東 恭悟*
滋賀医科大学外科学第1講座, 久留米大学医学部免疫学講座*
Melanoma antigen(MAGE)gene familyは細胞障害性T細胞によって特異的に認識される腫瘍退縮抗原をコードする遺伝子ファミリーである.このMAGEを応用した癌特異免疫療法が将来有望視されている.同ファミリーは,正常組織では精巣・胎盤および創傷治癒過程の皮膚以外に発現がみられず,組織型の異なる各種癌において高頻度に発現している.臨床検体でのMAGE発現の検討は,乳癌・肺癌・胃癌についてのみ報告されている.そこで食道癌について,われわれはMAGE gene familyの発現を手術症例を用いて検討を行った.食道癌15例中10例(67%)に発現を認めた.MAGEを用いた癌免疫療法の対象として食道癌は有望であると考えられた.
索引用語
melanoma antigen, esophageal cancer, reverse transcription-polymerase chain reaction
別刷請求先
藤田 益嗣 〒520-21 大津市瀬田月輪町 滋賀医科大学第1外科
受理年月日
1995年10月11日
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