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第29巻 第3号 1996年3月 [目次] [全文 ( PDF 506KB)]
症例報告

広範な小腸壊死を伴った閉塞性大腸炎の1例

福田 淑一, 月岡 一馬, 川崎 史寛, 松尾 吉郎, 吉村 高尚, 山崎 修, 大谷 博

大阪市立総合医療センター救命救急センター, 同 消化器外科

 症例は51歳の女性.突然の腹部膨満で発症し約6時間でショックに陥った.腹部は極度に緊満し直腸診で多量の便塊を触知.CTで腸間膜静脈内にガス像を認めたため緊急開腹した.S状結腸から回盲弁を越えさらに280 cm口側の空腸までの腸管が壊死に陥っていた.直腸は便塊で充満・閉塞.この閉塞部口側端と壊死に陥ったS状結腸との間に約15 cmの健常腸管がみられた.術中腸間膜動静脈の血行障害はなかった.壊死腸管を全切除し空腸瘻およびS状結腸瘻を造設.術後20日目に経口摂取を開始し外科病棟へ転棟.回盲弁を越え回腸まで広範囲に壊死がみられた激症型閉塞性大腸炎は今までに2例報告されているが空腸にまでおよんだものはなく自験例は本邦初例と思われる.自験例では糖尿病性の細血管病変による慢性的な乏血状態が基礎にあって,そこに大腸で増殖した病的細菌が一気に空腸まで逆流し毛細管レベルで電撃的にvasoconstrictionが発生し“激症化”したと考えられた.

索引用語
severe type obstructive colitis, jejunal necrosis, fecal impaction

日消外会誌 29: 780-784, 1996

別刷請求先
福田 淑一 〒534 大阪市都島区都島本通り2-13-22 大阪市立総合医療センター救命救急センター

受理年月日
1995年11月15日

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