臨床経験
大腸腫瘍に対する内視鏡補助局所切除術の有用性
河島 秀昭, 平尾 雅紀, 樫山 基矢, 千葉 淳, 鎌田 英紀, 松毛 真一, 石後岡 正弘, 原 隆志, 畠山 広巳, 山崎 左雪, 細川 誉至雄
勤医協中央病院外科
われわれは大腸腫瘍に対して術中に大腸内視鏡を併用する新しい局所切除の方法を行ったので報告する.われわれはこれを大腸内視鏡補助手術と呼び,勤医協中央病院にて1995年2月より大腸の腫瘍に対して施行してきた.本術式の適応は良性の大腸腫瘍,深達度mの癌,深達度sm1aの癌としている.さらに内視鏡によるポリペクトミー,粘膜切除が困難あるいは不成功例に対して行っている.本術式の特徴は,内視鏡を併用することで開腹部位は病変部直上で傷が小さいこと,病変部位に最短距離で到達すること,気腹を必要としないことである.本術式の利点は通常の開腹手術と比べて侵襲が小さいこと,腹腔鏡下手術と比べ手術時間が短かく,容易に行えることである.本術式は非浸潤癌に対する治療として大変適した術式と思われた.
索引用語
local resection of the colonic neoplasm, colonoscopy assisted local resection, limited surgery of early colon cancer
別刷請求先
河島 秀昭 〒065 札幌市東区伏古10条2丁目15-1 勤医協中央病院外科
受理年月日
1995年11月15日
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