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第29巻 第4号 1996年4月 [目次] [全文 ( PDF 488KB)]
特集

食道癌リンパ節転移の機序(上皮増殖因子受容体と細胞間接着因子)

塩崎 均, 井上 雅智, 田村 茂行, 土岐 祐一郎, 門脇 隆敏, 木村 豊, 門田 守人

大阪大学第2外科

 細胞間接着分子(E型カドヘリン)とその細胞膜裏打ち蛋白(α-カテニン)の機能異常が癌の浸潤や転移に関係することが知られている.食道癌においてもE型カドヘリン,α-カテニンの減弱発現がリンパ節転移に良く相関することを報告してきた.一方,上皮増殖因子受容体(EGF-R)の強発現する食道癌にリンパ節転移が高頻度にみられることが知られている.本稿ではEGF-Rのリガンドである上皮増殖因子(EGF)がE型カドヘリンに形態ならびに機能の変化をもたらし,浸潤性を獲得することをin vitroの実験で明らかにした.さらに,このEGF-Rを介する刺激が細胞膜裏打ち蛋白であるβ-カテニンのチロシン燐酸化を引き起こし,E型カドヘリンの機能に影響を与えること示唆する結果を得た.また,ヒト食道癌切除標本の免疫組織染色においてEGF-Rの発現する癌巣にはE型カドヘリンが発現せず,EGF-Rの発現しない癌巣にはE型カドヘリンが発現する現象が認められ,おのおの独立した因子と考えられていた両者が密接な関係にあることをしめしていた.以上のことからEGF,EGF-R系を介したシグナル伝達がβ-カテニンのチロシン燐酸化を将来し,細胞間接着に変化を来たし,その結果癌細胞が母細胞集団から解離することがリンパ節転移を起こす一つの機序であることが考えられた.

索引用語
EGF-R, E-cadherio, tyrosin phosphorylation

日消外会誌 29: 858-862, 1996

別刷請求先
塩崎 均 〒565 吹田市山田丘2-2 大阪大学医学部第2外科

受理年月日
1995年11月15日

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