特集
アガロースマイクロカプセル化異種膵ラ島移植
青松 幸雄, 中島 祥介, 金廣 裕道, 久永 倫聖, 瀧 順一郎, 高 済峯, 金 達也, 八倉 一晃, 大山 孝雄, 大橋 一夫, 西尾 和司, 山田 高嗣, 中野 博重
奈良県立医科大学第1外科
Discordant異種膵ラ島移植におけるアガロースマイクロカプセル化(Mc(+))と15-Deoxyspergualin(DSG)投与の併用効果につき検討した.雑種成犬単離ラ島を5%アガロースハイドロゲルにて,マイクロカプセル化した.6,000個膵ラ島を糖尿病BALB/cマウス,またはNODマウスの腹腔内に異種移植した.Mc(+)ラ島の平均生着日数はそれぞれ37.8日,30.6日であり,Mc(-)群に対し有意の生着延長効果を認めた.Mc(+)に少量のDSG投与を加えることにより,平均生着日数は76.3日,75.3日とさらに著明に延長した.Mc(+)群のマウス抗イヌ抗体価レベルは,DSG投与の有無にかかわらず,移植後50%以上となる場合も認めたが,正常血漿糖濃度が維持され,抗体はMc(+)ラ島に傷害をあたえなかった.アガロースマイクロカプセル化とDSG投与の併用による著明な生着延長効果を認め,将来の異種ラ島移植におけるバイオ人工膵の有用性を示した.
索引用語
agarose-microencapsulated islet xenotransplantation, 15-deoxyspergualin, antibody titer level
別刷請求先
青松 幸雄 〒634 橿原市四条町840 奈良県立医科大学第1外科
受理年月日
1995年12月6日
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