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第29巻 第5号 1996年5月 [目次] [全文 ( PDF 490KB)]
症例報告

早期胃癌に併存し血中および肝嚢胞液中carbohydrate antigen19-9が異常高値を示した肝嚢胞の1例

神森 眞, 小林 薫, 中村 卓郎, 小長谷 一郎, 山口 浩和, 上西 紀夫, 大原 毅, 遠藤 久子1), 佐々木 毅1)

東京大学第3外科, 東京大学医学部附属病院分院病理部1)

 症例は70歳の女性.上部消化管内視鏡検査で胃幽門前庭部にIIcを,腹部CT,腹部超音波検査で肝S2,3領域に3 cm大の肝嚢胞を認め,血中CA19-9は106.2 u/mlと高値を示した.幽門側胃切除術+D2郭清施行.この時,肝嚢胞穿刺を施行し無色透明漿液性の嚢胞液7 mlを吸引した.嚢胞液中CA19-9は,21,280 U/mlと異常高値を示した.病理組織学的には胃切除標本は,高分化型腺癌が優勢像を示した.術後の血中CA19-9測定では3か月目に26.7 U/mlと正常化を示したが,6か月目に再び43.5 U/mlと上昇を示し術後1年たった現在も37 U/ml以上を維持している.これらの経過より,CA19-9が良性肝嚢胞上皮より産生されていると判断した.CA19-9産生肝嚢胞は,自験例を含め本邦では7例報告されているのみであり,極めて稀なものであるが一部には悪性化するとの報告もある.今回,我々は早期胃癌に併存しCA19-9高値を示した肝嚢胞を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.

索引用語
liver cyst, tumor marker CA19-9, early gastric cancer

日消外会誌 29: 1045-1049, 1996

別刷請求先
神森 眞 〒112 文京区目白台3-28-6 東京大学第3外科

受理年月日
1996年1月10日

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