先天性胆道拡張症・膵管胆道合流異常に合併した胆嚢アデノミオマトーシスの1小児例

石田　秀行, 岩間　毅夫, 北郷　邦昭, 仁瓶　善郎, 三島　好雄

東京医科歯科大学第2外科

　先天性胆道拡張症・膵管胆道合流異常に合併した胆嚢アデノミオマトーシスのきわめてまれな1小児例を経験したので報告する．症例は13歳の女児．上腹部痛を主訴に入院．腹部超音波検査・内視鏡的逆行性膵胆管造影などでびまん型の胆嚢アデノミオマトマトーシス，膵管胆道合流異常（新古味分類IIb型）および円筒型先天性胆道拡張症（戸谷分類IVa型）と診断された．胆嚢摘出術・肝外胆管切除・総肝管空腸Roux-en-Y吻合術を施行した．胆嚢の組織学的検索では筋層の著明な肥厚とRokitansky-Aschoff sinusの増生を認めた．膵管胆道合流異常を合併した胆嚢アデノミオマトーシスの本邦報告例は自験例を含めて5例あり，年齢は13～35歳，全例がびまん型アデノミオマトーシスかつ新古味分類IIb型膵管胆道合流異常という共通点があり，2例には戸谷IVa型の先天性胆道拡張症も合併していた．以上から，若年者胆嚢アデノミオマトーシスの一因として，膵管胆道合流異常が関与している可能性が示唆された．

索引用語
juvenile adenomyomatosis of the gallbladder, congenital biliary ductal dilatation, anoma-anomalouspancreatico-biliary union

別刷請求先
石田　秀行　〒113　東京都文京区湯島1-5-45　東京医科歯科大学第2外科

受理年月日
1996年3月6日

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