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第29巻 第10号 1996年10月 [目次] [全文 ( PDF 356KB)]
症例報告

回腸人工肛門閉鎖後に高度の貧血が改善したdiversion colitisの1例

大西 秀哉, 吉田 順一, 高嶋 雅樹, 飯山 稜一, 大畑 佳裕, 壬生 隆一, 佐藤 裕, 田中 雅夫

九州大学医学部第1外科, 同 第2病理

 Diversion colitis(DC)すなわち空置腸管に発生した腸炎に関する本邦での報告はまれである.今回,高度の貧血を伴ったDCの1例を経験したので報告する.症例は33歳の男性で1994年6月悪性リンパ腫による小腸閉塞症のため回盲部切除,回腸人工肛門造設,上行結腸による粘液瘻造設術を施行した.化学療法で完全寛解が得られたため,1995年3月腸瘻閉鎖目的で入院したが,血色素6.4 g/dlと貧血が高度であった.粘液瘻部より血性分泌液の排泄があり大腸内視鏡を施行したところ,粗造な粘膜に発赤,出血を認めDCが疑われた.回腸上行結腸吻合術施行後,炎症所見は速やかに改善し,血性粘液の排泄は消失し貧血も改善した.文献上も腸瘻閉鎖により腸管の連続性を回復することが最も効果的とされている.空置大腸がある場合には,定期的,積極的に内視鏡検査を行いDCを早期発見し,また他の炎症性腸疾患と鑑別するよう努めることが大切である.

索引用語
colitis, anemia, enterostomy

日消外会誌 29: 1983-1986, 1996

別刷請求先
大西 秀哉 〒812 福岡市東区馬出3丁目1番1号 九州大学医学部第1外科

受理年月日
1996年5月8日

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