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第29巻 第11号 1996年11月 [目次] [全文 ( PDF 479KB)]
症例報告

再生不良性貧血の経過中に発症したneutropenic enterocolitisの1例

三谷 眞己, 桑原 義之, 川村 弘之, 佐藤 篤司, 服部 浩次, 正岡 昭

名古屋市立大学第2外科

 症例は75歳の男性で,再生不良性貧血の経過中に右下腹部痛,発熱を訴え来院した.右下腹部に圧痛,反跳痛を認め,腹部CT検査,超音波検査にて回盲部の腫脹腸管を認めたため,neutropenic enterocolitisを疑い緊急開腹した.画像検査でみられたごとく,回腸末端より上行結腸まで腫脹しており,盲腸は壊死様の色調であったため回盲部切除術を施行し,自動吻合器を使用し端側に吻合した.術後は抗生剤,G-CSFなどを使用し好中球数の増加とともに順調に回復した.
 本症は好中球減少時といった限られた状況で発症するため,該当例においては腹痛,発熱,下痢などの臨床症状をみた場合に本症を念頭におき,早期に対処することが望まれる.

索引用語
neutropenic enterocolitis, aplastic anemia, ileocecal resection

日消外会誌 29: 2180-2184, 1996

別刷請求先
三谷 眞己 〒467 名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1 名古屋市立大学医学部第2外科

受理年月日
1996年6月12日

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