臨床経験
選択的動脈内Ca注入後肝静脈採血法が診断に有用であったlow-grade malignant insulinomaの1例
成田 和広, 村上 雅彦1), 平塚 研之, 鈴木 和雄, 李 雨元, 相田 貞継1), 草野 満夫1), 橋本 東児2), 諸星 利男3)
城山病院外科, 昭和大学第2外科1), 同 放射線科2), 同 第1病理3)
選択的動脈内Ca注入(SICI)後肝静脈採血法により局在診断しえたlow-grade malignant insulinomaの1例を経験した.症例は77歳の男性.10年以上前よりてんかんの診断にて抗てんかん薬を服用中,意識消失を主訴に救急車で搬送された.来院時血糖値29 mg/dlと低値のため,精査入院となった.腹部造影CT検査にて膵体部に径1 cmの腫瘤が描出された.ERP検査では,体部膵管の限局性の圧排狭窄像,尾側膵管の拡張像がみられた.血管造影検査では,明らかな腫瘍濃染像は得られなかったが,脾動脈遠位部でのSICIによる肝静脈内insulin値が負荷前の2倍以上であり,膵体部尾側に発生したinsulinomaと局在診断しえた.手術は膵体尾部切除,脾摘を施行した.術後病理組織診断は,islet cell carcinoma,low grade malignancyであった.
索引用語
insulinoma, selective intra-arterial calcium injections, low grade malignancy
別刷請求先
成田 和広 〒142 品川区旗の台1-5-8 昭和大学医学部第2外科学教室
受理年月日
1996年9月11日
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