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第30巻 第1号 1997年1月 [目次] [全文 ( PDF 591KB)]
卒後教育セミナー

術後感染症の予知と対策

横山 隆

広島大学医学部総合診療部

 消化器手術は消化管内に多くの常在細菌を有し,手術中にしばしばこの細菌による汚染を生じること,手術対象疾患が消化器疾患であるためにしばしば栄養障害を伴うことなどにより術後感染の最も多い手術である.このために術後感染を予知すること,その対策を立てることはきわめて重要である.しかし術後感染を予知することは非常に困難である.そこで術後感染に関与する細菌,局所の環境,宿主の感染防御機能について概説し,術前の易感染性要因と対策,手術侵襲の術後感染への関与について考察した.さらに術後感染を早期に診断する方法,さらに術後感染に対する抗菌薬選択のために術後感染の種類による起炎菌の頻度,宿主の状態による起炎菌の種類について検討した.実際に術後感染は予知することは困難であり,起こりやすい要因を認知し,早期に診断することが大切である.

索引用語
prediction of postoperative infection, detection of postoperative infection, surgical stress

日消外会誌 30: 126-131, 1997

別刷請求先
横山 隆 〒734 広島市南区霞1-2-3 広島大学医学部総合診療部

受理年月日
1996年10月9日

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