症例報告
アメーバ赤痢による大腸穿孔の2例
西脇 巨記, 本多 弓尓, 岸川 博隆, 田中 宏紀, 谷脇 聡, 成瀬 博昭, 伊藤 和子, 梶 政洋
名古屋市立東市民病院外科
症例1は75歳の男性で,粘血下痢便を主訴として他院に入院,潰瘍性大腸炎の診断にて諸検査施行し,大腸に穿孔を認め緊急手術を施行した.摘出標本よりアメーバ虫体を認め当院転院となった.
症例2は28歳の男性で,粘血下痢便を主訴とし他院通院し潰瘍性大陽炎の診断にて投薬を受けていたが改善しなかったため,当院を紹介され便培養にてアメーバを認め入院となった.入院後2日目に腹痛増強し,腹部単純写真にてfree-airを認め緊急手術を施行した.
アメーバ赤痢は男性間の同性愛行為により伝播し近年増加傾向にある疾患である.いったん穿孔すると非常に予後の悪い疾患となるため粘血下痢便を主訴として来院する患者に対しては本疾患を念頭にいれる必要があると考え報告した.
索引用語
amebic colitis, colon perforation
別刷請求先
西脇 巨記 〒471 豊田市平和町1-1 トヨタ記念病院外科
受理年月日
1996年10月9日
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