症例報告
原発性盲腸Burkittリンパ腫の1例
中川 浩一, 八木 孝仁*, 森谷 宜朋, 大江 新野, 橋本 雅明, 大月 均**
福山第一病院外科, 岡山大学第1外科学教室*, 同 第1病理学教室**
症例は13歳の男性.右下腹部痛を主訴として来院.大腸X線検査および大陽内視鏡検査にて盲腸に2'型の腫瘤を認め,腹部CT,超音波および67Gaシンチグラフィにて所属リンパ節腫大を認めた.生検によりBurkittリンパ腫との診断にて右半結腸切除術(D3+α)を施行した.組織学的にはstarry-sky appearanceを呈し,CD-10陽性,CD-21陰性でearly B cell由来と考えられた.southern blottingにてIgH,c-mycの再構成が認められた.術後14日目よりadjuvant chemotherapyとしてmodified JALSG ALL93 protocolにMTXにAra-C髄注を加え4コース施行し,術後12か月経過した現在も再発なく健在である.
本症は白血化,中枢神経浸潤が高率で予後は不良であるが,局所にとどまっている症例に関しては徹底的な(D3以上の)リンパ節郭清と化学療法の併用により長期生存が期待できる.
索引用語
intestinal lymohoma, Burkitt's lymphoma
別刷請求先
中川 浩一 〒721 福山市南蔵王町5-14-5 福山第一病院外科
受理年月日
1996年11月13日
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