症例報告
緊急開腹手術を必要としたアミロイドーシスの2例
西脇 巨記, 片岡 誠, 桑原 義之, 川村 弘之, 三谷 眞己, 佐藤 篤司, 正岡 昭
名古屋市立大学第2外科
アミロイドーシスはアミロイドが全身に沈着する代謝性疾患で消化管は好発臓器の1つである.アミロイドーシスにより緊急手術が施行されることはまれで報告例は自験例を含め18例である.症例1は53歳の男性で慢性関節リウマチにて治療中,穿孔性腹膜炎のため緊急手術を施行した.症例2は72歳の男性で慢性関節リウマチにて治療中,イレウスのため緊急手術を施行した.
アミロイドーシスは全身性疾患で心,腎,肝障害も合併しているため死亡率が高く,その手術および術後管理が重要である.
また,慢性関節リウマチの死因を検討した報告では消化性潰瘍は抗潰瘍剤の発達により激減したが,アミロイドーシスは現在その死因の第3位を占めており早急にその治療法の確立が必要である.
索引用語
amyloidosis, intestinal obstruction, ischemic necrosis of the intestine
別刷請求先
西脇 巨記 〒471 豊田市平和町1 トヨタ記念病院外科
受理年月日
1996年12月11日
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