症例報告
右側門脈臍部を伴った肝門部胆管細胞癌の1例
金 祐鎬, 山口 晃弘, 磯谷 正敏, 堀 明洋, 北川 雄一, 山口 竜三, 松永 和哉
大垣市民病院外科
症例は53歳の男性.肝門部胆管閉塞にて経皮経肝胆道ドレナージを後区域枝,前区域枝,外側区域枝に行った.US・CTにて肝門部に腫瘤像を認めるとともに通常の門脈臍部は存在せず,前区域門脈枝と内側区域枝によって右側門脈臍部(right umbilical portion:RUP)を形成していることが判明した.経動脈性門脈造影でも直線的に左方へ伸びる外側区域門脈枝とRUPが確認できた.内側区域の動脈支配は前区域枝から分岐する枝(RUPから左方へ伸びる)と中肝動脈があり,これに呼応するように内側区域胆管枝も2系統存在していた.自験例に対しRUPを温存した肝左葉切除・尾状葉切除・胆管空腸吻合術を施行した.RUPを伴った肝門部胆管細胞癌における胆管の合流形態と肝内脈管の分岐形態を中心に報告する.
索引用語
right umbilical portion, cholangiocellular carcinoma, left hepatic lobectomy
日消外会誌 30: 1013-1017, 1997
別刷請求先
金 祐鎬 〒503 大垣市南頬町4-86 大垣市民病院外科
受理年月日
1996年12月11日
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