症例報告
腎細胞癌原発の転移性膵腫瘍の1切除例
園田 幸生, 山口 幸二, 佐伯 修治, 内藤 誠二1), 高嶋 雅樹2), 千々岩 一男, 田中 雅夫
九州大学医学部第1外科, 同 泌尿器科1), 同 第2病理2)
転移性膵腫瘍の報告例は少なく,さらに治癒切除例となると極めてまれである.今回,我々は腎細胞癌の診断で左腎が摘出されて4年後に発見された膵転移に対し,膵体尾部切除および脾臓摘出術を施行した症例を経験したので文献的考察を加え報告する.症例は67歳の男性で,左腎摘出後のCTでの経過観察中,膵体尾部に径3.5 cmの不整形の腫瘤を認め,腎細胞癌よりの膵転移と診断された.手術は膵体尾部切除術を行った.腎細胞癌による膵転移は少ないものの切除可能例が比較的多く,腎細胞癌切除後長期的な経過観察の際に注意が必要である.
索引用語
renal cell carcinoma, metastatic pancreatic cancer, surgical resection
日消外会誌 30: 1785-1788, 1997
別刷請求先
園田 幸生 〒812-82 福岡市東区馬出3-1-1 九州大学医学部第1外科
受理年月日
1997年3月19日
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