臨床経験
頸部主要血管の切除再建をともなうリンパ節郭清を行った食道癌の1例―Javid shuntを応用して―
中村 正徳, 永井 鑑, 奈良 智之, 井上 晴洋, 河野 辰幸, 吉野 邦英, 井上 芳徳, 岩井 武尚, 遠藤 光夫
東京医科歯科大学第1外科
頸部のリンパ節転移巣から,主要血管への浸潤を示した胸部食道癌に対し,血行再建を伴う手術を施行した.症例は43歳の男性.ImのO-I+IIa型食道癌で,術前化学療法の後,右開胸(door open法)開腹食道亜全摘,胸壁前胃管再建術,腕頭動脈,右総頸動脈,右鎖骨下動静脈,右内頸静脈合併切除,人工血管による動静脈再建術を施行した.Javid shuntを用いて,片側脳血流の完全遮断時間の短縮に努めた結果,血管合併切除による障害は認めなかった.血行再建術を加えることでより確実なリンパ節郭清が可能になると考える.
索引用語
esophageal cancer, resection and reconstruction of vesseles, lymphnode disssection
日消外会誌 30: 1869-1873, 1997
別刷請求先
中村 正徳 〒113 東京都文京区湯島1-5-45 東京医科歯科大学第1外科
受理年月日
1997年3月19日
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