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第30巻 第8号 1997年8月 [目次] [全文 ( PDF 471KB)]
卒後教育セミナー

高度進行大腸癌の治療

森 武生

都立駒込病院外科

 大腸癌は手術的切除により最も治療効果の上がる腫瘍である.その遠隔成績は,何らかの非治癒因子を併存し,かつそれが摘出し得た根治度B症例においても他の消化器固形癌stage IIIと同様である.この意味において手術は正確な術中判断と可及的に腫瘍を摘出する努力が重要である.根治度Cを根治度BにするDown Stagingの工夫として,切除不能肝転移に対して持続動注後奏効例に肝切除を行っているが,現在までに3生率45%と良好な成績である.さらにたとえ根治度Bであっても患者の術後QOLに対する配慮は必要であり,高度進行癌に対する手術だけに困難ではあるが,直腸癌への自律神経温存や,十二指腸,膀胱などの広範囲欠損に対しての小腸augmentationを積極的に行って良好な成績を収めている.

索引用語
relative non curative, hepatic resection after continuous infusion, King's method (Komagome type)

日消外会誌 30: 1885-1889, 1997

別刷請求先
森 武生 〒113 東京都文京区本駒込3-18-22 東京都立駒込病院外科

受理年月日
1997年5月21日

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