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第30巻 第10号 1997年10月 [目次] [全文 ( PDF 431KB)]
症例報告

上腹部痛と黄疸にて発症し急速に増大した有菌性bilomaの1例

桂 長門, 里村 一成, 日昔 秀岳, 猪飼 伊和夫, 山本 正之, 山岡 義生

京都大学医学研究科消化器外科

 外科的操作もしくは外傷の既往なしに発生するspontaneous bilomaの報告はまれである.今回,3管合流部結石嵌頓による1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.症例は74歳の男性.3年前より胆石を指摘されていた.1996年4月1日より上腹部痛,黄疸,発熱が生じ,同4日当科へ紹介された.同日午前のMRIでは特に有意な所見を認めなかったが,約5時間後のCTなどでは,肝左葉の上下面に巨大な嚢胞様の低吸収域を認め,穿刺液の成分検査からbiloma(胆汁性嚢胞)と診断された.培養検査でKlebsiella pneumoniaeを証明した.
 このように急速に増大したbilomaを論じた報告はなく,従来緩徐に形成されるとされていた物とは別に,胆道内圧の急激な上昇により肝被膜下に貯留する機転が存在することが示唆された.したがって,急速に増大するbilomaが存在する場合は,胆道系の閉塞の可能性も疑い,CTなどで検索すべきと思われた.

索引用語
spontaneous biloma, confluence stone, jaundice

日消外会誌 30: 2024-2028, 1997

別刷請求先
桂 長門 〒606-01 京都市左京区聖護院川原町54 京都大学医学部医学研究科消化器外科

受理年月日
1997年5月21日

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