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第30巻 第10号 1997年10月 [目次] [全文 ( PDF 464KB)]
特集

膵頭部癌のリンパ節・周囲結合組織進展と遠隔成績からみた至適郭清範囲

石川 治, 大東 弘明, 中野 博史, 安田 卓司, 中森 正二, 平塚 正弘, 亀山 雅男, 佐々木 洋, 甲 利幸, 古河 洋, 今岡 真義

大阪府立成人病センター外科

 我々は1981年来膵頭部癌切除に際し,郭清範囲を1群リンパ節のみ(D1)から1,2群リンパ節および周囲結合組織(D2α)へと拡大してきた.その結果,局所再発は減少し5年生存率も9%から29%へと向上した(p<0.05).リンパ節転移陽性例の5年生存率も0%から14%へと向上した(p<0.05).D2α群のうち,n(+)で5年生存した例の大半はn1,特に(13)/(17)リンパ節に転移が限局していた例であった.その他のリンパ節に転移が及んでいた場合の遠隔成績は有意に不良であつた.しかしリンパ節転移が陰性あるいは(13)/(17)リンパ節に限局していても,約40%の症例が膵周囲結合組織内に微小浸潤(MI)を有していて,膵頭部・上腸間膜動脈・腹腔動脈神経叢方向にMIが見られても約40%の5年生存率が得られた.一方,総肝動脈・肝十二指腸靱帯あるいは膵頭部下縁方向にMIの見られた症例からはいまだ5年生存を得ていない.以上より,リンパ節転移が陰性あるいは(13)/(17)に限局する症例にこそ,膵頭部・上腸間膜動脈・腹腔動脈神経叢を始めとする膵周囲結合組織郭清の意義は大きい.

索引用語
pancreatic head cancer, lymphadenectomy, connective tissue clearance

日消外会誌 30: 2049-2053, 1997

別刷請求先
石川 治 〒537 大阪市東成区中道1-3-3 大阪府立成人病センター外科

受理年月日
1997年7月2日

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