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第30巻 第11号 1997年11月 [目次] [全文 ( PDF 478KB)]
症例報告

CA19-9産生性虫垂原発粘液嚢胞腺腫の1切除例

岸仲 正則, 籾井 眞二, 大里 隆, 田畑 正久

東国東地域広域国保総合病院外科

 症例は68歳の女性.右下腹部の腫瘤に気付いていたが放置していたところ,同部の疼痛が出現してきたため来院した.症状からは急性虫垂炎と考えられたが,血中CA19-9が高値で5 cm径の腫瘤を触知したため腹部超音波検査,注腸造影X線検査,腹部CT検査を施行し,結果典型的な粘液瘤腫の所見を得たため盲腸を含む虫垂切除術を施行した.虫垂内には黄色の粘液が充満しておりCA19-9濃度は11,440 U/mlであった.粘膜上皮は大部分で脱落し,残存粘膜は細胞の異型性が乏しくまた間質への浸潤傾向も見られず嚢胞腺腫と考えられた.CA19-9の免疫組織染色で上皮細胞の胞体内に陽性の顆粒を認め,CA19-9が術後速やかに正常値に戻ったことより虫垂の嚢胞腺腫がCA19-9を産生していたものと考えられた.
 腫瘤を伴う急性虫垂炎では悪性も含めた虫垂mucoceleを考慮する必要があるが,腫瘍マーカーのみにより悪性との診断を下すには注意を要すると考えられた.

索引用語
mucinous cystadenoma of the appendix, CA19-9 producing appendicular tumor, myxoglobulosis of the appendix

日消外会誌 30: 2215-2219, 1997

別刷請求先
岸仲 正則 〒873-02 大分県東国東郡安岐町大字下原1456 東国東地域広域国保総合病院外科

受理年月日
1997年6月11日

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