症例報告
筋肉転移を来した食道類基底細胞癌の1例
三浦 靖彦, 国崎 主税, 舛井 秀宣, 高橋 徹也, 大久保 賢治*, 嶋田 紘
横浜市立大学第2外科, 同 病理*
症例は58歳の男性.左肩甲部腫瘤を主訴に当院整形外科に入院し,生検で転移性腫瘍と診断された.術前CTで下部食道壁の肥厚を,内視鏡検査で下部食道癌と診断された.左肩甲部腫瘤に対し整形外科で肩甲帯遊離術を施行.腫瘍は肩甲骨下の筋肉内に存在し,病理は低分化扁平上皮癌であった.2か月後,EiEaの食道癌に対して,右開胸開腹胸部食道切除術,2領域郭清,亜全胃管胸骨後再建術を施行した.術後経過良好であったが,6か月目に脳転移で再発した.病理組織は類基底細胞癌,a2,V2,ly0,n2であった.類基底細胞癌は本邦で30例の報告があるが,本症例は筋肉転移を来した.きわめてまれな症例であると思われた.
索引用語
esophageal cancer, basaloid-squamous cell carcinoma, muscle metastasis
別刷請求先
三浦 靖彦 〒236 横浜市金沢区福浦3-9 横浜市立大学第2外科
受理年月日
1997年9月9日
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