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第31巻 第1号 1998年1月 [目次] [全文 ( PDF 452KB)]
症例報告

同時期に発見された一卵性双生児の胃癌症例

下向 博洋, 山田 正治, 宮田 幹世, 高橋 良和

大阪船員保険病院外科

 我々は同時期に胃癌と診断された一卵性双生児の妹の手術症例を経験したので報告する.姉妹の病巣を比較してみると,癌巣の広がりに大きな差はあるが,主病巣の部位,肉眼型,組織型が類似していた.本邦での一卵性双生児胃癌症例報告は8組のみで報告者の多くは遺伝的背景を重視しているが胃癌多発地域の日本での報告例の少なさより遺伝的な素因は重要でないと考えられた.しかし,一卵性双生児胃癌は肉眼型,組織型などが類似する特徴が認められ,これは出生時の同一遺伝子に出生後の類似した遺伝子異常の蓄積が加わるためと推測される.

索引用語
indentical twins, gastric cancer

日消外会誌 31: 66-70, 1998

別刷請求先
下向 博洋 〒552 大阪市港区築港1-8-30 大阪船員保険病院外科

受理年月日
1997年10月1日

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