症例報告
急性気腫性胆嚢炎の2例
鈴木 晃, 亀山 仁一, 坂井 庸祐, 工藤 俊, 竹下 明子, 久津 裕*, 浦山 雅弘*, 川口 清*
山形県立日本海病院外科, 山形大学第1外科*
急性気腫性胆嚢炎はガス産生菌によって生ずるまれな疾患で,腹部画像検査で胆嚢内や胆嚢壁周囲に異常ガス像を示す特徴を有する.われわれは過去2年間に,急性気腫性胆嚢炎を2例経験した.症例1は上腹部痛を主訴として入院となった68歳の男性で,腹部X線写真と腹部CTにて胆嚢内ガス像を認めた.保存的治療の後,第18病日に待機的に胆嚢摘出術を行った.病理診断は壊疸性胆嚢炎であった.胆汁の細菌培養でClostridium属が検出された.症例2は上腹部痛を主訴として来院した85歳の男性である.腹部X線写真で胆管内ガス像,腹部CTにて胆嚢内ガス像および胆管内ガス像を認めた.即日,経皮経肝的胆嚢ドレナージを行ったが,不成功となったため緊急開腹手術を施行した.病理診断は蜂窩織炎性胆嚢炎で,胆汁の細菌培養でClostridium perfringensが検出された.両者とも術後経過は順調で,それぞれ術後14日目と16日目に退院した.
索引用語
emphysematous cholecystitis, gas-producing bacteria, cholecystectomy
別刷請求先
鈴木 晃 〒998 酒田市あきほ町30 山形県立日本海病院外科
受理年月日
1997年9月9日
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