卒後教育セミナー
「食道癌取扱い規約」改訂の要点
渡辺 寛
国立がんセンター中央病院外科
この10数年間の食道癌治療法の変遷により,現行規約の改訂は臨床現場から強く要望されている.本著は第31回卒後教育セミナーにて報告した主たる内容の一部を記述した.規約作業は1992年から開始されたが,改訂に際しての基本姿勢としては,理解しやすく,普遍性があり,国際的に通用しそして他の臓器癌取扱い規約との整合性を計ることなどとした.そして,現行規約は外科医のみが使用する内容となっているので,改訂には最近の治療内容の変化に伴い,放射線治療および抗癌剤治療にも利用出来るよう心掛けて来た.これまでに改訂された点はリンパ節群の内容,壁深達度をA→Tへの変更,リンパ節郭清(D)と癌遺残度(R)の新設,根治度の改訂―ABC分類である.現在検討中の項目はブロック進行度分類,目次の大巾の整理(現行規約では腫瘍形態の記載が重複している)などである.
改訂原案の完成は本年度末を目標とし,約3カ月間の試行期間後に新規約本を完成させる.
索引用語
Guide lines, carcinoma of the esophagus, reguirements for revisions
別刷請求先
渡辺 寛 〒104 東京都中央区築地5-1-1 国立がんセンター中央病院外科
受理年月日
1997年11月5日
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