卒後教育セミナー
食道癌手術の術後管理
北村 道彦
秋田大学医学部第2外科
3領域リンパ節郭清や上縦隔の拡大リンパ節郭清が定着した現在,手術直接死亡率が1%前後の施設が多く,食道癌手術は安全なものとなった.しかし,高齢者が多く,各種既往歴を有し術前機能障害を合併する例が少なくないため,食道癌手術の際は以前と変わりなく厳重な術後管理が要求される.本稿では術後の病態,標準的術後管理の実際,術後合併症の管理を中心に述べた.術後管理にあたっては,1)術前の十分な機能評価,2)術中所見,操作の内容を術後管理に反映すること,3)術後の病態を十分理解し,異常を早期にとらえ対処すること,4)呼吸,輸液など術中管理が術後経過に及ぼす影響が大きいことから,麻酔科医との綿密な連携などが重要なポイントと考えられる.
索引用語
postoperative management for patients with esophageal cancer
別刷請求先
北村 道彦 〒010 秋田市本道1-1-1 秋田大学医学部第2外科
受理年月日
1997年11月5日
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