症例報告
肝血管筋骨髄脂肪腫の1例
渡邊 常太, 西崎 隆, 若杉 健三, 中村 太郎, 高橋 郁雄, 小野原 俊博, 石川 哲大, 松坂 俊光, 久米 一弘, 藤永 裕
松山赤十字病院外科
肝血管筋骨髄脂肪腫の1例を経験したので報告する.症例は30歳の男性.主訴は右季肋部痛.肝前区域に腹部超音波検査にて径約6 cmの高エコー,腹部CTにて低吸収,腹部MRIのT2強調像にて高信号,血管造影にて血管増生の強い腫瘍を認めた.B型C型肝炎なく,AFP,PIVKA-II陰性であったが,肝細胞癌を完全に否定できなかったため肝切除術施行した.肝血管筋骨髄脂肪腫は血管,平滑筋,脂肪成分に髄外造血巣を含むまれな腫瘍で,我々の検索しえた範囲内で本症例を含め本邦で6例の報告があるのみである.類似疾患である血管筋脂肪腫においては悪性化の報告があり,本疾患においても増大傾向のみられる場合および症状のみられる場合,現時点では切除することが望ましいと考える.
索引用語
angiomyomyelolipoma, liver
別刷請求先
渡邊 常太 〒790-0826 松山市文京町1番 松山赤十字病院外科
受理年月日
1997年10月1日
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