症例報告
アレルギー性肉芽腫性血管炎によって生じた大腸狭窄の1例
河崎 千尋, 南 亮, 安田 和弘, 九嶋 亮治*, 服部 隆則*
守山市民病院外科, 滋賀医科大学病理学第1講座*
症例は46歳の男性.本院の大腸がん検診で便潜血反応陽性を指摘された.注腸造影検査で約8 cmにわたる上行結腸狭窄と,腹部CT検査によって腸管壁の3層構造肥厚性変化が認められた.血清中IgE値は1,730EUに増加していた.本症例はアレルギー性腸炎が疑われたが確定診断に至らず,1997年4月23日上行結腸部分切除が施行された.病理組織診断は,漿膜下を中心に好酸球浸潤を伴ったallergic granulomatous angitis(AGA)であった.本症例はAGAによって生じた本邦でもまれな大腸狭窄例であった.今回われわれは,術前に確定診断に難渋し手術に至った経験を文献的考察を加え報告する.
索引用語
colonic stenosis, allergic granulomatous anigtis
別刷請求先
河崎 千尋 〒524-0022 守山市守山4-14-1 守山市民病院外科
受理年月日
1997年11月5日
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