症例報告
開腹既往と大腸腺腫症を伴わない小腸間膜原発のmesenteric fibromatosisの1治験例
世古口 英, 土江 健嗣, 久納 孝夫, 米山 文彦, 西本 和生, 長坂 徹郎*
名城病院外科, 名古屋大学検査部病理*
Mesenteric fibromatosis(腸間膜線維腫症)の報告はまれである.大腸腺腫症の合併がなく,また開腹術などによる腹部侵襲の既往の認めないものは,極めてまれである.
症例は61歳の男性.主訴,腹部腫瘤.腹部US,CT,MRIなどから,大網もしくは腸間膜由来の腫瘍と診断し,開腹術を施行した.腫瘤は回盲弁より約150 cm口側の回腸腸間膜に存在していた.腫瘤の大きさは75×75×50 mmであり,割面は充実性の灰白色を呈していた.病理組織学的にはmesenteric fibromatosisと診断された.
患者は術後1年6か月を経た現在,再発を認めていない.
索引用語
mesenteric fibromatosis, mesenteric desmoid
別刷請求先
世古口 英 〒460-0001 名古屋市中区三の丸1-3-1 名城病院外科
受理年月日
1998年1月14日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|