胆管癌組織における細胞接着分子および関連分子の免疫組織化学的検討

酒井　丈典, 今山　裕康, 橋野　耕太郎, 蓮田　啓, 福田　秀一, 原　雅雄, 奥田　康司, 木下　寿文, 江里口　直文, 中山　和道

久留米大学医学部外科学講座

　細胞外基底膜構成成分であるLamininと，細胞外基底膜分解酵素であるMatrix metalloproteinase-3および細胞接着分子であるCD44の胆管癌組織における発現を免疫組織化学的に検索し，胆管癌の各種臨床病理学的因子との関係を検討した．各分子間では，LMとMMP-3の発現に負の相関を．各種臨床病理学的因子と各分子の発現の間では，組織学的深達度とLM・CD44発現に負，stageとLM・CD44に発現に負．stageとMMP-3発現に正，pnとMMP-3発現に正，リンパ節転移とLM発現に負の相関をそれぞれ認め，LM発現の有無で術後累積生存率に有意差を認めた．他の消化器癌と同様に胆管癌においても，その浸潤・進行に細胞外基質と基底膜分解酵素および接着分子の相互作用が関与する可能性が示唆された．

索引用語
matrix metalloproteinase, laminin, common bile duct cancer

別刷請求先
酒井　丈典　〒830-0011　久留米市旭町67　久留米大学医学部外科

受理年月日
1997年12月3日

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