症例報告
脾原発濾胞性悪性リンパ腫の1例
三枝 奈芳紀, 三枝 一雄, 布村 正夫1), 小田 健司1), 塩崎 哲三2), 菅野 雅彦2)
三枝病院外科, 千葉大学第1外科1), 最成病院消化器外科2)
脾原発濾胞性悪性リンパ腫の1例を経験したので報告する.症例は71歳の女性で,腹部超音波検査にて脾腫瘍を指摘され,脾摘出術を施行した.摘出脾は大きさ12×9×8 cm,重量390 gであり,凹凸不整で,割面に黄褐色結節状腫瘍が認められた.組織学的にはLymphoma Study Group分類(以下,LSG分類)の濾胞性リンパ腫中細胞型と診断された.Ahmann分類のstage 1であった.術後化学療法は行わなかったが,術後6か月目に再発し,16か月後の現在CHOP療法にて経過観察中である.脾原発悪性リンパ腫のなかでも濾胞性リンパ腫はきわめてまれであるのでここに報告した.
索引用語
primary splenic tumor, malignant lymphoma, follicular lymphoma of the spleen
日消外会誌 31: 1802-1806, 1998
別刷請求先
三枝奈芳紀 〒293-0012 富津市青木1641番地 三枝病院外科
受理年月日
1998年2月12日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|